2026年ワールドカップは、われわれに多くの発見をもたらした。たとえば、イングランドは実はかなりいいチームだったこと。ピンク色のサッカースパイクこそ最高で、どうやらほとんどの選手がそれを知っていること。そして、サッカーは意外にもおしゃれなスポーツであり、選手たちも実はセンス抜群だということ。特にアーリング・ハーランドのセンスに注目したいところだ。
だが何より重要だったのは、アメリカの観客席にいたあのブラッド・ピットこそが、最高にクールな男だったかもしれないということだ。
異論はあるかもしれないが、少し聞いてほしい。確かに、ティモシー・シャラメは何度もレトロなアディダスのコーデを披露していたし、カラム・ターナーは大会を通して見た中で最もさりげなく格好いい腕時計、カルティエの「タンク」を身につけていた。しかし、最も見事な着こなしを披露したのはブラッド・ピットだった。
しかも彼は何か特別なことをしたわけではない。ピットは、ロサンゼルスで行われたスペイン対ベルギー戦では、ペネロペ・クルスやハビエル・バルデムと一緒に観戦していた。そして、スタンドにいた誰よりもクールに見えた。
アメリカ代表のシャツに、色落ちしたウォッシュドデニム、アビエーターサングラス、そして後ろ向きにかぶったキャップという実にシンプルな装いだったのにもかかわらずだ。まさに映画スターならではの気取らないスタジアムファッションであり、彼は見事にそれを着こなしていた。
中でも魅力的だったのは、キャップを後ろ向きに被るスタイルだ。キャップは前後逆に被るだけで、ありきたりなコーディネートが一瞬でエッジの効いた印象へと変わる力があると私は本気で思っている。髪を後ろへ流し、それを逆向きのキャップでまとめた姿には、否定しようのない色気がある。
そもそもキャップを後ろ向きにかぶるスタイルは、アメリカの野球のキャッチャーたちがつばが防具のマスクに当たって邪魔にならないようにした実用的な工夫から生まれた。しかし1990年代に入ると、その意味は変わる。キャップを後ろ向きにかぶるのは、機能性のためではなく「とびきりイケているスタイル」として定着していったのだ。
ピットは今や、6人の子供の父親になった。しかしこのスタイルは、彼のキャリア初期からずっと続けてきたものである。ピンタレストの検索バーに彼の名前を入力すれば、1990年代のブラッド・ピットが長めのヘアスタイルに小ぶりのサングラス、そして後ろ向きにかぶったキャップ姿で写る写真が次々と見つかるはずだ。
キャップの後ろかぶりを楽しんでいたのは、決してピットだけではない。ハンサムな容姿で知られたジョン・F・ケネディ・ジュニアは、間違いなくこのかぶり方を世に広めた最も有名な人物だ。
彼はウォール街風のピンストライプスーツから、メイン州の沿岸で過ごす休日に着るJ.クルーのハーフジップニットに至るまで、あらゆる服装に後ろかぶりのキャップを合わせていた。ドラマ『サクセッション』のケンドール・ロイであっても、彼のような着こなしはとても真似できない。
ライアン・マーフィー監督のドラマ『ラブ・ストーリー』の放送以降、TikTok上には故ケネディ・ジュニアの90年代ファッションに影響を受けた投稿が何百万件も溢れ、「彼のような着こなしをしたい」と考える人が続出している。その現状を踏まえると、このスタイルを取り入れてみるというのも決して突飛なアイデアではないだろう。
そうした背景もあり、最近はこのスタイルを目にする機会がますます増えている。抜群のファッションセンスを誇るポップスターのデュア・リパは今月、ニューヨークの有名な「エレクトリック・レディ・スタジオ」でのレコーディングに向かう際、後ろ向きにキャップをかぶっていた。
また、ジャスティン・ビーバーもこのスタイルをよく取り入れている。ケンダル・ジェンナーも後ろ向きにキャップをかぶった姿をインスタグラムへ定期的に投稿し、ティモシー・シャラメやケンドリック・ラマーも格好良くかぶりこなしている。さらにこのスタイルは、ポロ ラルフ ローレンのランウエイにも登場し、誰もが心から格好いいと感じるようなスタイルだ。
では、実際にどう取り入れればよいのだろうか。ブラッド・ピットやジョン・F・ケネディ・ジュニアのように着こなしたいなら、あまり深く考えすぎないことだ。後ろ向きにキャップをかぶるのは、手軽におしゃれ度を上げられるスタイルテクニックのひとつ。ジム帰りなら、キャップを後ろ向きにかぶるだけ。仕事で長い一日を終えて少し疲れている日でも、同じようにかぶればいい。それだけでこれまで以上にクールに見えるはずだ。
実際、最近の「ガーディアン」の記事では、あるTikTokユーザーが夫が後ろ向きにキャップをかぶる様子を撮影しながら、これで夫が普通の父親から魅力的な男に変身したと紹介していたほどだ。覚えておきたいのは、「ジョン・F・ケネディ・ジュニアを目指せ。ケンダル・ローガン・ロイになるな」ということだ。
それでは、このスタイルを実現するのにおすすめのキャップを3点紹介しよう。
Source / Esquire UK
Translation / エスクァイア編集部
※この翻訳は抄訳である



















